木下みつひろ / オレンジウルフ開発者

1986年のデビュー以来、年間シリーズチャンピオンなど輝かしい実績を残すレーシングドライバー。ハンコックタイヤをはじめとする多彩なチューニングパーツの開発からドライビングレッスンに至るまでその技術と才能は多岐に及ぶ。運転スキルについては多くを語らないが、ことマシンおよびセッティングに関しては一切の妥協を許さない。クルマに関する多角的な実績と先見性に世界中から注がれる視線はいつも熱い。
2010年、ガルフストリームとのコラボレーションでオレンジウルフの開発者となる。「性能」「安全」「快適」をキーワードに、サーキットやワインディングなどのスポーツ走行と街乗りの一般走行という一見相反する性格を持つ双方を同時に満たすチューニングを次々に具現化し続けている。

レース戦歴

【1981年】
レーシングカート・デビュー デビュー戦優勝
【1986年】
レーシングカート・全日本ナショナルクラスFA/A1クラス参戦 優勝
【1987年】
富士フレッシュマンレース デビュー
【1988年】
富士フレッシュマンレース・レビントレノクラス 優勝2回・2位1回(全6戦)
【1989年】
富士フレッシュマンレース・NA1600クラス 優勝2回 2位1回(全4戦)
【1990年】
富士フレッシュマンレース・NA1600クラス 優勝4回 総合優勝
【1991年】
ミラージュカップ シリーズチャンピオン
【1992年】
シビック東日本シリーズ シリーズチャンピオン
【1993年】
フォーミュラトヨタ 優勝7回・2位2回 シリーズチャンピオン(最多優勝記録)
N1耐久参戦
全日本F3選手権参戦
【1994年】
全日本F3選手権 参戦
全日本ツーリングカー選手権(JTCC) 参戦
【1995年】
全日本ツーリングカー選手権(JTCC) 参戦 ルーキー賞獲得
N1 耐久参戦 優勝1回
【1996年】
全日本ツーリングカー選手権(ENDLESS SPORTS #18 エンドレスアドバンBMW)
N1耐久シリーズ(#13 エンドレスアドバンGT-R)
【1997年】
全日本GT選手権 参戦
スーパー耐久レース参戦 鈴鹿でレコードタイムをマーク
【1998年】
全日本GT選手権 参戦
スーパー耐久レース参戦
【1999年】
全日本GT選手権・GT500クラス(ENDLESS SPORTS #11 エンドレスアドバンGTR)
【2000年】
全日本GT選手権・GT500クラス(#25 エンドレスアドバンスープラ)
スーパー耐久・クラス1(ENDLESS SPORTS #10 エンドレスアドバンGTR)
マカオ・ギアレース(チームDD #30 トヨタ・アルテッツア)
【2001年】
マカオ・ギアレース 6位(エンドレス #12 トヨタ・アルテッツア)
【2002年】
スーパー耐久・クラス1(ENDLESS SPORTS #3 エンドレスアドバンGT-R)
【2003年】
全日本GT選手権・GT300クラス(ハセミ・モータースポーツ #3 ハセミスポーツ・エンドレス・Z)(シリーズチャンピオン)
【2004年】
全日本GT選手権・GT300クラス(TEAM DAISHIN #80 エンドレスダイシンアドバンZ)(シリーズ7位)
スーパー耐久・クラス1(ADVAN KONDO RACING #1 MKアドバンエンドレスポルシェ)
【2005年】
SUPER GT・GT300クラス(ENDLESS SPORTS #13 エンドレスアドバンZ)(シリーズ6位)
スーパー耐久・クラス1(エンドレススポーツ #3 エンドレスアドバンZ)
【2006年】
SUPER GT・GT300クラス(ENDLESS SPORTS #14 ハンコックエンドレスポルシェ)(シリーズ21位)
スーパー耐久・ST2クラス(エンドレススポーツ #123 エンドレスアライアドバンGDB/スバルインプレッサ)
【2007年】
SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK NSC PORSCHE)
【2008年】
SUPER GT・GT300クラス (HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE)
【2009年】
SUPER GT・GT300クラス (HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE)
【2010年】
SUPER GT 参戦 GT300 クラス

木下みつひろ公式サイト

レース戦歴

ダンパー開発にあたり、最も重要なのはフリクションが少なく剛性が高く、精度が高い素性の良いダンパーを用いることです。もともとフリクションが発生しているようなダンパーを開発しても当然良い結果は出ませんから。
今回オレンジウルフのサスペンション開発のベースとなるSACHSは元々フリクションが少なく、最適なモデルでした。そのため、開発もスムーズに進めることができました。ところが市販品でフリクションの問題にまで行き届いた製品は、実はあるようで、あまりないんです。
また、市販品モデルでは、減衰の波形を基本的にクルマのジオメトリーに合わせているだけの製品がほとんどです。ところが僕は、あくまでも一般の方が色々な条件で使用すること、さまざまなドライビングをすることを考えた上で、誰もが乗りやすい仕上がりになるように減衰力波形を決めていきます。市販品状態でもドライバーがプロフェッショナルの場合には乗りこなしてしまうのですが、一般の方が乗った時に曲がらない、不安定、などの現象になりがちだからです。さらにストリートでの快適性も考えますと、凸凹を通過する時に強い衝撃を受ける場合、減衰力が弱いこととバンプラバーのセッティングが出ていないことがほとんどですので、車とタイヤの剛性に合わせた減衰特性にできるかがポイントになります。タイヤは縦にストロークする、ダンパーもストロークする。この時バラバラのストロークでは違和感のある乗り心地になりますので、そこをうまくセッティングしました。しかし全ての路面から伝わる衝撃をなくすことは不可能ですし、タイヤもいろんなタイヤを履くことも想定していますので、減衰21段調整で合わせることができるように全域で調整できるダンパーの減衰特性にいたしました。

---------------“減衰力を高めていくお話について、逆になぜ乗り心地が悪くならないのですか?” という質問に対し、このような回答をいただきました。

「基本的にスプリングは動き出せばずっと動いてますから、これにより段差での衝撃は多く感じません。ところが、このスプリングの動きを抑制しているのはダンパーです。もしこのダンパーがスプリングの揺れを抑える働きをしている中、極端な話、ダンパーが止まるような動き(フリクション)をしたら、そこには大きな衝撃が発生します。
そのため減衰が強い=乗り心地が悪化するのではなく、あくまでもフリクションの問題なんです。」