ORANGE WOLF SUSKIT 開発ストーリー

木下選手が認めた
ベースモデルの低フリクション性

2010年から木下選手とタッグを組んで進めてきたサスペンション開発ですが、まず初めにSACHS社製品を使いたいという私たちの意向を木下選手に伝えましたところ、「確かにSACHSはレースでも好成績を修めていますが、レースで実績を残した物やブランドが良い市販品を生むとは限らないんですよ。まずは乗ってからですね。」ということで市販品モデルを試乗をしていただき、その結果、「これならベースモデルとして申し分ないですね。ベースモデルが良い物でなければいくら手を加えても良い製品はできませんからね。」ということで採用が決定しました。そのベースモデルの良さとは?「主にケースの剛性と精度、内部パーツの低フリクション性といったところですね。」と木下選手は語られました。

SRE社初の市販車モデル用キット

BMW車の純正ショックも手がけるドイツの巨大メーカー、ZF SACHS社のスポーツ部門を担当するのがSRE(SACHS RACING ENGINEERING)です。BMW社のM社と全く同じような形態にて活動している部門にあたります。
そのカテゴリーはF1から始まり、WTCC、スーパーGT、DTM、フォーミュラ日本まで至ります。そしてそれらのレース界へサスペンションやクラッチを供給するサプライヤーとして存在します。
ところが、初めてレース用ではない、市販車ベースとして作られたのがこのキットなのです。

日本のアネブル社が日本の道路事情へ合わせるため
木下選手のアドバイスの元 煮詰めていく

そのSREのアジア総代理店が愛知県にあるアネブル社さんです。普段はレースカーへの供給がメインなのですが、今回はこの市販キットを用い、ORANGE WOLF&木下選手が求める特性に合わせていただくため、仕様変更並びに減衰変更を試みてくれました。

実はアネブルさんでは「このキットは元々、ポルシェ社の要望にてポルシェカップ用にSREが作ったキットなので、とても素性と完成度が高いんです。だからきっと良い物ができますよ!」と最初から言ってくださっていました。

内部までにも手を加える
完全分解リセッティングを実施

「ワンオフ開発として、各々の車両に合ったスポーツ性能を得るには市販品のバネレートでは弱すぎます。」ということで、まず第一にバネレートをアップしました。一般の方がスポーツ走行をされる場合に、現状では唐突なロールの発生などで恐怖感を、あおりかねないので、安心して走れるバネレートの選択をし、アイバッハスプリングへの交換を試みました。ところが、バネレートが上がった分、市販品の減衰ボリュームが高すぎるため街乗りでの快適性が損なわれてしまいました。そこで第二段階として木下選手のノウハウから、ダンパーの分解&リセッティング作業が始まりました。

現場に立ち会って一番驚いたこと

実は私も分解の現場に立ち会ったのですが、最も驚いたのは、ここから先はアネブルさんのノウハウ主導で進んでいくと思っていたところ、木下選手の方からダンパー内部の細かなパーツにまで具体的な指摘が出されていたことです。その話を聞いた時、「えっ!そこまで!」と耳を疑ってしまったのですが、考えてみれば木下選手はエンドレス時代にご自分でサスペンションの開発・製造まで手がけていたのだということを思い出し、納得しました。このとき、木下選手は“作れて、走れて、感じられるレーサー”なのだという思いがさらに深まりました。
ここまでの流れをお読みいただいて、このダンパーが分解・オーバーホールが可能だということがおわかりいただけたと思います。市場に出回っているサスキットの多くが使い捨ての中、ORANGE WOLF サスキットは分解・オーバーホールしながら永くご愛用いただくことが可能なのです。

驚きと感動の連続

数々の場所(富士SW、袖ヶ浦、スパ西浦、市街地、etc...)にて木下選手に乗っていただき、一つ一つ確実にアネブルさんにて変更を試みてもらいました。
木下選手の細やかな感性にも、ことごとく驚かされましたが、それを確実に形にしていくアネブルさんの技術にもまた驚かされました。
ある時、木下選手から「1994年頃、JTCCにチームACシュニッツァーのBMWで参戦してたんですが、その車の、しなやかに動く足に圧倒されたんです。当時サス開発にも関わっていましたので、ここの製品を取り寄せ分解し研究もしました。今思えば僕のサス開発のきっかけを作ってくれたのも実はBMWだったんですよ。」という逸話を聞かせていただきました。

走っては減衰特性を確認し、
体感度とデータを照らし合わせ確認される2人!

走っては減衰特性を確認し、体感度とデータを照らし合わせ確認される2人。
データも勿論重視しますが「サスペンション開発はデータだけでは無理!データが同じでも全く違う製品ができてし まうこともあるんです。」と言われる通り絶対的に体感志向でやる!それが木下イズムなのです。

これもひとえに自信の表れ!?

こんなところまで見せてもらって良いのか?というほど包み隠さず見せていただいきました。これもひとえに自信の表れでしょう。
数々のパーツは聞いてビックリするような値段のものもあり、多くの複雑な形をしたシムやピストンは日本国内では製造できないような複雑な金型によって作られているそうです。やはりそこは自動車発祥の地の一日の長があります。

低フリクションを実現する研究し尽くされたパーツ

SRE製品の最大の特徴はフリクションの少なさです。オイルダンパーのフリクションを生み出してしまうのはゴム製品の善し悪しにかかっています。
SRE社ではそのフリクション低減を目指すOリング開発に大多数の人たちが関わっています。

現場にて走り、ばらして組み上げてまた走る!

現場にて走り、ばらして組み上げてまた走る!と限られた時間の中での行いは、まるで木下選手を、レースのスターティンググリッドに送り出すような、さながらレース活動をしているような錯覚にも陥るほどの緊張感漂う真剣勝負です。
このサーキットでの整備体験と安全管理は、まちがいなくしっかりと自社工場へも持ち込まれています。それこそがお客様への最良のフィードバックではないかと考えます。



オレンジウルフサスキット開発ストーリー

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