ORANGE WOLF SUSKIT 開発ストーリー

E46 6気筒用をベースとしてE9X系モデルに
組み込みましたが…

最初に完成されたE46 M3専用モデルを流用し、次はMモデル以外のE46 6気筒専用モデルへの開発となりましたが、Mモデル以外の6気筒用を完成させるにはMモデルに比べかなり減衰ボリーュムを下げました。それによりM3に比べより快適性が増しました。(勘違いしないでください。もちろん減衰を締め上げればMに負けないスポーツカーに変身します)
ところがこの快適性というのがとても厄介で、私はそこばかりに目がいくようになってしまっていました。そのため当然のごとく、E9X系6気筒モデルの開発へはE46 6気筒専用モデルを流用し、アネブルさんで車重と車高に合うようなストローク変更をしていただきました。そしてかなり期待してできあがった車に乗ってみたのですが「アレ?」…何かが違うのです。

これは一からやり直し

できあがったE9X6気筒専用モデルも減衰調整を最弱にして乗ればE46 6気筒と同じような快適なものになるとばかり思いこんでいましたので、少し戸惑いました。自分的には、「スプリングレートが強いのか?」とも考えましたが、私の感覚などまるで当てになりませんから、変に手を入れることなく木下みつひろ選手に委ねることにしました。そして取材当日、まずはストリートでの評価について尋ねますと、「良くないですね~!高級感がまるでないですね~!ひょこひょこと落ち着きがなくて、これでは車の車格にまるで合っていませんね~!」とのことでした。そこで馬鹿な私は、「やっぱりスプリングが合ってないんだ。」と一人で思い込み、「何なら減衰ボリュームをもっと下げれば良いんだろうか?」とも思ってしまいました。そして本番!いつもながら木下選手は減衰ダイアルを最弱にしてコースに出ます。ところが走り出して、すぐに戻って来てしまいました。「怖くて乗れない!ロールスピードが速すぎて運転が難しい!これじゃあ相当の手垂れの人が乗っても苦戦します。僕が求めるのは、誰もが安心して乗れる車ですから、まるで駄目ですね!…でもせっかくですから減衰ダイアルを最強にしてもう一度走ってみます。」とのことになったのですが「硬いだけで、まるでトラクションがかからない。これは一からやり直しですね。」ってことで終了となってしまいました。な、なんと、このスパ西浦での失敗談がREV誌の記事にもなってしまったんです。

減衰ボリュームを上げる!?

テストを終了し木下選手から出た言葉には一瞬「エッ?」となってしまいました。
それは、このモデルをE46 M3の減衰に近づけるということだったのです。
自分的には下げると思っていた減衰を上げるということですので、頭が混乱し色々尋ねてみましたが、今いちピンときません。今でもそこそこ乗り心地が良いのになぜ硬くするんだろう?ピロマウントに対応していたM3モデルを純正アッパーマウントを使うこのモデルに対しなぜ強めるのだろう?と頭の中を色々な思いが駆けめぐり、なかなか理解することができませんでした。既に2台のサスキット開発に私自身携わり、その変化の一部終始を体感してきましたので、多少は自分も分かってきているつもりでいたのです。ところが、その提案を聞き、少しは近づいていると思っていた自分の感性の乏しさを思い知らされました。

限りなく
E46 M3の減衰ボリュームに近づけた結果

ところが仕様変更が終わりいざ乗ってみると、「エ~?何これ!E46 6気筒モデルの快適性、どっしり感、高級感と一緒になっているじゃないですか!」あまりに驚き木下選手に電話しますと、次のように説明してくださいました。
「E9X系はE46と比べて明らかにフロア剛性がアップしているんです。ですから、それに合わせたダンパーセッティングが必要だったんです。そこが実は落とし穴だったんですよ。ダンパーを開発をする際には必ずボディ剛性やシャーシ剛性、フロア剛性、重量、ジオメトリーまでトータルとして捉え、その一部としてのダンパーを考えるんです。つまりはバランスです。一瞬乗り心地が良いと思っていた状態で、当たりはソフトだったかも知れませんがクルマの姿勢はフラットじゃなかったと思うんですよ。やはりクルマのフラットな走行姿勢が高級感、どっしり感につながりますよね。減衰ボリュームは、実は進化した剛性に対し足りなかった、ということなんですよ。」

フロント8kg リア11kgのスプリングを採用!

最終的にスプリングレートはフロント8kg、リア11kgとなり、減衰もこの車に対してピッタリな仕上がりとなりました。しかしここにも余談があります。最初は市販のモデルに付属されるヘルパースプリングを使用していたのですが、木下選手から「外した方が良いですね!」との提案をいただき、リアスプリングの自由長を 140mmから200mmに変更しました。ところがアイバッハに最初に想定していた10kgのスプリングの在庫がなく、仕方なく勝手に11kgを組んでテストに挑みました。(勝手にやると叱られるかも?)の心配もありましたが、まさに「ひょうたんから駒」で木下選手から「これの方が良いですね~」と嬉しいコメントをいただきました。



このキットをE93カブリオレにも装着させていただきましたが、
クーペと同じ完成度でお客様にも大変喜んでいただいております。

「オレンジウルフ BMW E9X系専用サスキットが完成しました!
今回はBMW 335をモデルに、サスペンションジオメトリー、車重バランスを理解しダンパーをセッティングしました。その結果、ストリートでは路面追従性、トラクション、ブレーキ性能、ハンドリング全てのスタビリティーが向上したので、ドライビングの快適性も格段にアップしました!
このオレンジウルフサスキットは21段の減衰調整式になっていまして、21段全ての領域で高いレベルの走行ができるので、タイヤのサイズやメーカーを問わずに思い通りの乗り心地が実現可能なんです。通常の市販のサスキットでは“高いレベル”とコメントしていることが多いんですが実は大半が硬いだけです。でもこのサスキットはスペシャル減衰で、減衰力は非常に強いんですが、フルハード状態でも路面追従性を損なうこともないし、ストリートでも快適です。つまり安全マージンが向上している、ってことなんです。安心してください!女性も快適に楽に走れますよ!
スピード領域が高いサーキットテストも何度も繰り返して、良く曲がるBMWの特性をバランスさせてハンドリングの良さを保ちながら、15キロカーボンLSDとの相乗効果で、安定し、かつ良く曲がるサスペンションの完成に至りました。商品レベルが高いですから、335に乗ったときのボディーから伝わる振動や感覚がノーマルを遥かに超えてますよ!」






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